結婚式における見積書の落とし穴

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見積書はあくまでも式場側の意向が大きい

結婚しようと一念発起して式場探しをする際は、必ず見積書をもらって検討するかと思いますが、初めてもらった見積書はほぼ式場側の考えが反映されたものであることを知っておくとよいでしょう。
私は沖縄でブライダルアドバイザーとして、結婚式場で働いておりました。来店されるほとんどのカップルは、人生において初めて結婚式の見積もりをとります。ただ多くのカップルはこの「見積書」に翻弄されてしまい、本当に希望する披露宴の形を見つけられない方々が多いようでした。「最初の見積もりと比べて実際は全然違っていた」「パンフレットや見積書どおりに式を挙げたのに悔いが残る」などといったお声も後日聞いたことがあります。
実は結婚専門雑誌を読んだうえで来店されてブライダルフェアも数社体験済みという方のお見積もりをお手伝いすると、そのまま契約してもお支払いまでほとんどトラブルは発生しません。後悔される方とそうでない方、それぞれの間には「思い込み」という大きな落とし穴があるのです。この記事に出会った方にはそんな落とし穴に落ちないよう、またできるだけ見積書の内容に振り回されないように、すこしだけアドバイスさせていただこうと思います。

「フリードリンク」の落とし穴!アルコールは別料金

ドリンクは披露宴中に列席者が飲むものとしては知っているかと思いますが、その内容が酒類によっては別途料金になることも多いことを知っておくとよいでしょう。基本はビール・ソフトドリンク・水・麦茶(ウーロン茶)・お茶(緑茶などあたたかいお茶)がフリードリンク制となっています。しかし、焼酎・カクテル・ワインといったものは別途料金として準備している式場も多くありますので、列席者から準備不足と言われてしまうか追加料金が思いのほか高額になってしまわないよう、事前にアドバイザーと準備する本数を含めて相談してすることをお勧めします。
また、披露宴が開宴する前にだされるウェルカムドリンクも存在し、別途料金が発生するところもあります。そこまでフリーというところもありますので一言聞いて確認しておくとよいでしょう。
隠れたドリンクの必要な場所としては、結婚式も含めて長く滞在する両家控室があります。併設されたカフェなどでくつろぐかたも多いかと思いますが、せっかくなら控室でゆっくりしてもらうことも検討してみましょう。

料理は本当にピンからキリまで。試食はぜったい必要!

最初の見積もりに含まれる料理代は期間限定プランのおすすめ料理である時もありますが、話のやりとりをみて最低ランクを見積もることもありますのでもらった時点でどのランクがはいっているのか確認してください。もしワンランクをあげると2千円×人数という計算だけでも50人で10万円アップということになります。どのオプションもひとついくらと明瞭ですが、人数に関わる料金は支払い段階まで流動的に変わりますので余裕を持って見積もりしてもらいましょう。見積書作成にはお金は全くかかりません。そのときのスタッフの対応をチェックできる意味でも、できるだけの要望を突っ込んで作成してもらい数社比較できるようにしましょう。

「装花一式」は「すべて」じゃない?ブーケも花束もチェック!

装花がある場所を考えると受付・ひな壇・ゲスト卓上・メインキャンドル・ウェディングケーキといった場所となります。大概ここまではすでに見積もりにも入っていたり、ウェディングパックのなかに「装花一式」として含まれていたりします。しかし、披露宴での目玉イベントともいえる両親への花束は含まれていません。別途料金となるうえ持ち込みも禁止している場合もありますので、必ず装花の必要な場所を確認しましょう。最初から見積もりに盛り込んでくれているとわかりやすいのですが、逆にその場で説明してもあとから必ず問い合わせがくることが多かったですね。
さらにドレスに合わせてブーケが必要となります。ウェディングドレスには清潔を表す白を基調にグリーンをあしらうアレンジとなりますが、お色直しで着用するカラードレスではそれと合わせた花をあしらったデザインを持たないとなりません。さらにバッグ型やリング型などのデザインや盛り込まれる花の時期によって見栄えが変わりますので、アドバイザーが持つ写真などでイメージを確認しつつ注文しましょう。また披露宴を終えた後そのブーケを押し花に加工して自宅に飾ることもできるオプションもあるので終えた後の花の始末まで目を向けてみてください。

見積もりのペーパーアイテムは貧弱?

必要なものは招待状・席次表・メニュー表・席札ですが、最初の見積もりに入っているものはほとんど最低ランクのもの。これも人数によって金額が大きく動くので、アドバイザーは最初の見積もりはできるだけ安く作成してお得感を伝えます。実際打合せ時にアイテムを手に取ってみるとはっきりわかりますが、ランクが上の物はやはり手触りとデザインが全く違います。かならず実際に選ぶつもりで見積もりの時に見せてもらいましょう。
ただアドバイザーもランクアップによる金額負担については良くわかっているので、手作りウェディングで持ち込みすることは広く認められています。実際に私がアドバイザーのころ、そのアイデアアイテムが見たくて手作りを薦めまくっていました。式場側としては減益となりますしお二人にとっても仕事で疲れた夜や週末もその準備に忙しくなることが明確にわかっているのですが、新婦だけ頑張ることがないよう、新郎も率先して作成していただけるようフォローしながら準備を進めてもらっていました。

あなたは何回お色直しをしますか?

ウェディングドレスとカラードレスは、基本的には式場側が提携している貸衣装を薦められます。ただしどうしてもつけたいドレスを購入する場合や母親の手作りなどさまざまな事情で持ち込まざるを得ない場合は、きちんとアドバイザーと相談しましょう。持込料が発生しますが、絶対ダメということではないのでご安心を。またメイクやヘアメイクも含めてドレスを着用するのは、披露宴当日とは別に前撮りと2回必要になります。もし白無垢と色打掛(カジュアルな華打掛というのもあります)もお色直しに使用されるなら、さらにかかりますので気を付けておきましょう。

引出物と引菓子も忘れずに!

列席者へのお土産は記念品を贈ることになりますが、引菓子もそえてお渡しする事例も増えてきました。引菓子はなくても良いと思いますが、どちらもペーパーバッグが必要であることと人数に合わせて流動的であるということをおさえていてください。とくに引菓子は返品がきかないもの。発注する数は慎重に確認しておくとよいでしょう。また式場から帰宅される列席者に「荷物」を持たせてしまうことも考えると重いものや大きいものは控えておいたほうが良いでしょう。金額に合わせたカタログを持ち帰ってもらい本人から注文・自宅配送してもらえるギフトカタログを利用すると、本人が好きな物や必要なものを選ぶことができる上に自宅まで届けてくれると喜んでくれる方がほとんどです。ただ使い方がわからなかったり忘れていたりして発注しないひとも出てきたりするので、後日会うことができる人には率先して声をかけて利用してもらえるようにしましょう。お金をかけた分はしっかり最後まで活用したいものですよね。

写真・ビデオは式場付のプロにおまかせ!

友人や家族の方にスナップ写真やビデオ撮影をお願いして費用を軽くしようとするお考えも良くわかりますが、できればそこは専属のプロにまかせてみましょう。チャペル内はカメラ禁止としているところも多く、会場内もアングルがうまくいかなくてピンボケした写真ばかりだったという後日談を聞いたことがあります。配膳スタッフが通りかかるとシャッターチャンスを逃してしまいますし、大人数をフレームに収めるときは脚立を使って高さを利用した撮影法が必要になります。そこまで関係者にお願いしてもその方は食事も雰囲気も全く楽しむことができません。しかし専属のカメラマンであれば、照明演出のタイミングも考えながらベストな写真を残すことができます。逆にそれができてこそ専属のプロカメラマンと言えます。披露宴の予定がない平日昼間の式場は、使用される入場曲に合わせて照明の動きを調整するスタッフとともに、どこがベストポジションとなるかをさがすカメラマンの練習場となっています。そういった動きがあるからこそ思い出に残る写真やビデオが撮影されますので、腕前は金額に保障されていると割り切ってプロにお願いしてみましょう。

最後に

一生に一度の大きな買い物は住宅と言われていますが、私は一生に一度の大金をかけたイベントは披露宴だと思っています。あとからリフォームができるわけでもなく、返品ができるものでもない、たった一度きりの披露宴なのですからぜひぜひ要望・わがままをすべてアドバイザーへ相談してください。決してお金をかけない手作りウェディングに負い目を感じる必要はありません。その要望も含めてアドバイスするのがプロなのですから。

この記事を書いた人

bobo

著者 : ドルフィンポポ

沖縄の結婚式場にブライダルアドバイザーとして数百組を担当。4年務めた経験から友人・知人の披露宴の幹事を担当することも。現在はWebライターとして沖縄を拠点に仕事をしています。


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